探偵を1日だけ雇ったときの料金は、調査員2名体制で8万〜20万円、実際の見積りで多いのは10万〜15万円の帯です。調査員1名あたりの時間単価に直すと7,000〜10,000円が中心で、当サイトが全国677社の公式サイトを調べた集計でも、時間単価を明記していた372社の中央値は7,500円でした。
先に断っておくと、探偵の料金には国や自治体の統計がありません。国民生活センターにも実額のデータはなく、「公的な相場」がそもそも存在しない領域です。この記事の数字はすべて、当サイトが2026年6月〜7月に集めた677社の料金表にもとづく独自集計です。その前提のうえで、1日調査の料金の内訳と、見積りを見るときの確認点を説明します。
探偵の1日料金の早見表
探偵の料金は「調査員の人数 × 時間単価 × 稼働時間 + 経費」で決まります。広告でよく見る「1時間7,500円〜」といった表示は調査員1名あたりの最低単価なので、2名体制の実際の見積りはその2倍強になります。人数別に直すと次のとおりです。
体制 | 時間単価の目安 | 5時間調査 | 8時間調査 |
|---|---|---|---|
調査員1名 | 7,000〜10,000円 | 3.5万〜5万円 | 5.6万〜8万円 |
調査員2名 | 15,000〜20,000円 | 7.5万〜10万円 | 12万〜16万円 |
調査員3名 | 21,000〜30,000円 | 10.5万〜15万円 | 16.8万〜24万円 |
浮気・不倫調査では、対象を見失わないために2名体制が標準です。2名で5〜8時間動くと7.5万〜16万円、ここに車両費・機材費・報告書作成費などの経費や深夜帯の割増が載ると20万円近くになることもあります。冒頭の「8万〜20万円」はこの計算にもとづいています。
時間単価の分布
当サイトの調査(677社・2026年6〜7月時点)では、調査員1名あたりの時間単価を公式サイトに明記していたのは372社、その中央値は7,500円でした。このうち掲載基準(届出番号の確認など)を満たして当サイトに掲載している事務所分は、次の表でいつでも最新の集計を確認できます。
最も厚いのは7,000〜9,000円の帯で、全体のおよそ3割です。5,000円を切る事務所も一定数ありますが、単価が安くても人数や経費の扱いで総額は簡単に逆転します。単価の安さだけで選ぶと、見積り段階で想定とずれます。ずれの正体はたいてい次の料金体系の違いです。
なお、公式サイトに「浮気調査◯円〜」と最低総額を出している事務所は350社あり、その中央値は6万円でした。ただしこれは最短時間・最少人数の下限値で、1日フルに動く調査の見積りとは別物です。
人件費のほかにかかる経費
見積書で人件費の次に並ぶのが経費です。代表的なのは、尾行に使う車両やバイクの費用、調査員の交通費、カメラなどの機材費、そして調査後に受け取る報告書の作成費。これらを時間単価に含める事務所と、別枠で積む事務所があります。同じ「1時間8,000円」でも、経費込みなら総額は変わらず、別枠なら1日で数千円から数万円が上乗せされます。見積りを比べるときは、単価ではなく「その日1日でいくら払うのか」の総額をそろえて見てください。報告書の作成費は、裁判資料になる詳細版だと高くなることがあるため、どの水準の報告書が含まれているのかも確認しておくと安心です。
料金体系は3種類。1日だけの依頼に合うのはどれか
677社の料金表を分類すると、時間制を掲げる事務所が417社と最も多く、パック制が366社、成功報酬制が328社でした。合計が677を超えるのは、多くの事務所が複数の体系を併用しているためです。つまり同じ事務所でも、依頼の仕方によって支払い方は変わります。1日だけの依頼という前提で、それぞれの向き不向きを見ていきます。
時間制
単価×時間×人数で計算する方式で、1日だけの依頼はほとんどこれになります。使った時間のぶんだけ支払うので、対象が動く日が分かっているなら最も無駄がありません。気をつけたいのは調査の延長です。「あと1時間で決定的な場面が撮れそう」という状況で延長するかどうかは現場で判断を求められることが多く、延長時の単価が通常より高い契約だと総額が想定を超えます。深夜・早朝の割増の有無とあわせて、契約前に聞いておきたいところです。
パック制
「20時間で30万円」のように時間をまとめ買いする方式です。時間あたりの単価は下がりますが、1日(5〜8時間)の調査では時間を使い切れません。パック契約を1日だけの調査に使えるか、余った時間が返金されるかは事務所によって扱いが分かれるため、見積りの際に確認が要ります。
成功報酬制
着手金を抑え、証拠が取れたときに報酬を支払う方式です。当サイトの集計では、成功報酬額を明記していた114社の最低額の中央値は11万円でした。注意したいのは「何をもって成功とするか」の定義が契約書ごとに違うことで、ここの確認が甘いと、想定していなかった条件で報酬が発生します。たとえば「対象と異性がホテルに入る写真」を期待していたのに、契約上は「対象の行動が確認できた時点で成功」と定義されていれば、決定的な証拠がなくても報酬の支払い義務が生じます。着手金無料をうたう広告でも、経費と成功時の報酬を合わせた総額では時間制より高くつく場合があるため、比べるなら総額です。
1日調査の当日、探偵は何をしているのか
支払う金額の中身を知るために、当日の動きも押さえておきます。時間制の「稼働時間」は、調査員が現場に張り付いている時間のことです。
調査当日より前に、依頼者から聞き取った情報をもとに調査計画が組まれます。どこを起点に張り込むか、何時から何時まで動くか、車両を使うかはこの段階で決まり、見積りもここで固まります。当日は、調査員が起点(自宅近くや職場の最寄りなど)で張り込みを始め、対象が動き出したら徒歩や車両で尾行し、行き先や接触した人物を撮影します。対象が帰宅するか、契約した稼働時間が終われば撤収です。調査中の様子を電話やメッセージで中間報告してくれる事務所もあります。
依頼者が当日にやることは、基本的にありません。むしろ気をつけたいのは、そわそわして対象に連絡を増やしたり、いつもと違う態度を取ったりして、対象の行動を変えてしまうことです。せっかく絞り込んだ「怪しい日」に対象が動かなければ、稼働時間だけが消化されます。
1日の調査で結果が出るケース、出ないケース
1日調査が向いているのは、「その日に何かが起きる」と分かっている場合です。会う日が特定できている、外泊の予定を聞いている、毎週決まった曜日に帰りが遅い。こうした条件があれば、5〜8時間の張り込みと尾行で証拠まで届く可能性は十分あります。
逆に、いつ行動するか分からない状態で1日だけ張っても、空振りに終わる確率が高くなります。そして時間制では、空振りでも料金は発生します。同じ2名体制でも、日を絞れずに3日張れば費用は単純に3倍、40万円を超えることも珍しくありません。1日で終えられるかどうかは、料金表よりも事前の情報量で決まります。
依頼前に整理しておくと費用が下がる情報
探偵は調査の前に、依頼者から対象の情報を聞き取って調査計画を立てます。ここで渡せる情報が多いほど稼働時間の見積りが正確になり、無駄な張り込みが減ります。日常生活の中で自然に分かる範囲で、次のようなことをメモしておくと役立ちます。
- 怪しいと感じた日の日付と、そのとき気づいたこと(帰宅時間、服装、持ち物の変化など)
- 対象の平日・休日の行動パターンと、よく使う交通手段
- 職場や最寄り駅など、調査の起点にできる場所
- 対象の顔がはっきり分かる最近の写真
これらは初回相談で聞かれる定番の項目でもあります。相談の前にまとめておけば、見積りの精度も面談の密度も上がります。
見積りで費用を抑えるには
国民生活センターは、探偵業者への依頼にあたって、複数の事業者から見積りを取ること、料金の内訳を確認すること、解約時の条件を確認することを勧めています。実際の見積りで見るのはこの3点です。
- 相見積りは同じ条件で取る。人数・時間・車両の有無をそろえて2〜3社に出さないと、比較になりません
- 内訳を見る。調査料金に車両費・機材費・報告書作成費が含まれるのか別料金なのか。時間単価の安さを経費で回収する料金表もあります
- キャンセル料と中断時の精算条件。調査開始前と調査中それぞれの解約条件を確認します。探偵業法では契約前の重要事項説明が義務付けられており、この説明を省く事務所は避けたほうが無難です
見積りは口頭ではなく書面でもらってください。面談で聞いた説明と見積書の記載が食い違っていたら、契約前にその場で質問して解消しておきます。時間制なら最低稼働時間(3時間からなど)が設定されている場合もあるので、「1日だけのつもりが最低ラインに届かず割高になった」ということがないよう、そこも書面で確かめておくと確実です。
届出番号で分かること、分からないこと
探偵業は公安委員会への届出制で(探偵業法第4条)、無届けの営業は違法です。届出をした事務所には都道府県の公安委員会から受理番号が交付され、多くの事務所は公式サイトの会社概要や事務所内の標識に「東京都公安委員会 第◯◯号」といった形で記載しています。なお、2024年4月の制度改正で従来の「届出証明書」は廃止され、現在の正式名称は「届出書の受理番号」です(「探偵業届出番号」は通称)。サイト上で番号が見当たらない場合は、問い合わせれば教えてもらえます。番号の確認自体を渋る業者や、そもそも届出をしていない業者は、料金以前の問題として候補から外してください。
一方で、届出は許可制ではないため、番号があることは「適法に営業するための最低要件を満たしている」以上の意味を持ちません。届出番号を優良業者の証のように扱う広告も見かけますが、調査力や料金の妥当性はそこからは分かりません。番号の確認は入口、そのうえで見積りの内訳と重要事項説明の質で選ぶ、という順番です。
1日調査の見積りが8万〜20万円の帯から大きく外れていたら、安い側なら人数と経費の扱いを、高い側なら稼働時間の根拠を、内訳で確かめる価値があります。相見積りの候補選びには、当サイトに掲載している全国677社の料金・届出情報も役立ててください。