分割払いに対応すると公式サイトに明記している探偵事務所は、当サイトが調査した全国867社のうち294社(146事業者)です。ただし分割の方法は1つではありません。クレジットカードの分割、信販会社の提携ローン、探偵社に直接分割で支払う方法(この記事では自社分割と呼びます)の3つがあり、審査・手数料・契約書面の条件がそれぞれ違います。
この294社は、対応を公式サイトに明記している事務所を数えた値です。国民生活センターの探偵・興信所に関するFAQにも支払い方法の統計は示されておらず、この記事の集計値はすべて、当サイトが2026年6月〜8月に全国867社の公式サイトを調べた独自データです。その前提で、3つの方法の違いと、契約前に確認する点を説明します。
探偵費用の分割払い早見表(3つの方法の違い)
3つの方法は、どこが審査するのか、支払いでもめたときに割賦販売法の保護を受けられるのか、契約の内容がどの書面に残るのかが違います。違いを先にまとめます。
方法 | 審査 | 割賦販売法の保護 | 確認する書面 |
|---|
クレジットカードの分割・リボ | カード発行時の審査の範囲内(利用枠まで) | 支払停止の抗弁の規定あり(包括信用購入あっせん・30条の4。リボは30条の5で準用) | カード会社の会員規約と利用明細 |
提携ローン(信販会社の個別クレジット) | 申込みごとに審査(法律上の義務) | 支払停止の抗弁などの規定あり(個別信用購入あっせん・35条の3の19) | 信販会社との個別クレジット契約書 |
自社分割(探偵社への直接分割) | 事務所ごとの判断 | 保護が及ばない場合がある | 探偵業法8条の書面(事前説明書面と契約書面) |
早見表にある「支払停止の抗弁」とは、調査が実施されないなどの事由があるときに、カード会社・信販会社への支払いを拒める規定のことです。詳しくは各方法の説明で述べます。
手数料・金利は、クレジットカードと提携ローンではカード会社・信販会社の規定で決まります。金額はカードや契約ごとに違うため、この記事では実額を示しません。見積総額が出たら、カード会社・信販会社が公表している実質年率と返済シミュレーションに当てはめると、手数料込みの総額を自分で確かめられます。自社分割で手数料がかかるかは事務所ごとの取り決めです。なお「いつ払うか」(前払いか、後払いか、着手金と成功報酬に分かれるか)は分割の方法とは別の軸なので、「支払いのタイミングは3類型」の節で整理します。
分割払い対応を明記している事務所はどれくらいあるか(867社の実測)
当サイトは全国867社(チェーンの複数拠点を1事業者として数えると560事業者)の公式サイトを調べ、分割払いとクレジットカード払いの記載を記録しています。興信所を名乗る事務所も含みます(名称が違っても同じ探偵業の届出事業者です)。数え方の規則は、公式サイトに対応の明記があるときだけ「対応を明記」、不可と書かれているときだけ「不可を明記」、どちらも書かれていなければ「記載なし」です。
支払い方法 | 対応を明記 | 不可を明記 | 記載なし | 事業者単位で対応を明記 |
|---|
分割払い | 294社(867社中33.9%) | 20社 | 553社 | 146事業者(560事業者中26.1%) |
クレジットカード払い | 369社(867社中42.6%) | 31社 | 467社 | 181事業者(560事業者中32.3%) |
この表は対応を明記している事務所の集計であって、対応率ではありません。読み方の注意を3つ添えます。
- 記載なしの553社は「公式サイトに書いていなかった」というだけで、分割に応じない証明ではありません。問い合わせれば応じる事務所を含んでいる可能性があります。
- 不可を明記した20社は、あえて「分割払い不可」と書いている少数派です。対応しない事務所の総数は、この集計からは分かりません。
- 事業者単位の数字は、チェーン内のどこか1拠点でも明記があれば「対応を明記」と数えたものです。拠点によって対応が違う可能性があります。
対応を明記している事務所は、分割払い対応を明記している事務所の一覧で、地域や調査目的と組み合わせて絞り込めます。
支払いのタイミングは3類型(分割できる場面・できない場面)
分割の方法を選ぶ前に、そもそも「いつ払う契約なのか」を確かめます。探偵料金の支払いタイミングは大きく3つに分かれます。
- 前払い:調査の開始前に料金を支払う方式。時間制・パック制の契約で広く使われます。
- 後払い:調査が終わってから支払う方式。対応の可否と条件は事務所ごとに分かれます。
- 着手金+成功報酬:契約時に着手金を払い、調査が成功したときに成功報酬を払う方式。
分割できるかどうかは、このタイミングとの組み合わせで決まります。前払いの契約でも、カード対応の事務所ならカードの分割払いが使える場合があります。自社分割なら、前払いにあたる金額を月々に分けて支払う形になります。
事務所の公式サイトには、支払いの条件を具体的に書いている例があります。成功報酬制の着手金は分割払いの対象外とする説明や、調査結果の報告は支払いがすべて完了した時点になることがある、という説明です。どちらも個別の事務所の公式サイトの記載を要約したもので、すべての事務所に当てはまるわけではありません。こうした条件を公式サイトに書いていない事務所では、契約書を見るまで分かりません。分割を前提にするなら、自分の契約ではどうなるのかを、契約前に確かめてください。
後払いに対応する事務所もあります。後払いの仕組みと条件は分割払いとは別の論点なので、この記事では扱いません。対応の可否は無料相談で確認できます。
分割払い3つの方法(クレジットカード・ローン・自社分割)の仕組みと落とし穴
3つの方法の違いの中心は、審査の主体と、支払いでもめたときに使える法律上の保護です。
クレジットカードの分割・リボ払い
手持ちのクレジットカードで決済し、カード会社への支払いを分割やリボにする方法です。カード払いの対応を明記する事務所は867社中369社と、分割払いの明記(294社)より多く、対応先を見つけやすい選択肢です。カードの分割払いは割賦販売法の「包括信用購入あっせん」に当たる支払い方で、同法30条の4に支払停止の抗弁の規定が置かれています(リボ払いには30条の5で準用されます)。契約した調査が実施されないなど、事務所に対して主張できる事由があるときは、その事由をもってカード会社への支払いを拒める場合があります。
手数料は分割回数に応じてカード会社の規定で決まります。もう1つ注意したいのは、カードの利用明細です。明細にどんな名前で載るかは、事務所側の決済の設定によって違います。家計の明細を配偶者と共有している場合、調査を知られる経路になりえます。契約前に、明細上の表記がどうなるかを事務所に確認してください。
提携ローン(信販会社の個別クレジット)
事務所が提携する信販会社とローン契約を結び、信販会社が調査料金を立て替え、依頼者が信販会社に分割で返済する方法です。割賦販売法の「個別信用購入あっせん」(同法2条4項)に当たり、申込みのたびに審査があります。同法35条の3の3が、支払能力を超えた契約を防ぐ趣旨で「個別支払可能見込額の調査」を信販会社に義務付けているためです。「審査なし」をうたう分割の勧誘もありますが、審査が無いことは利点ではありません。審査は、法律が置いた消費者保護の手続きです。審査の基準は信販会社ごとに違い、収入の状況によっては通らないこともあります。通るか不安な段階でも、無料相談で分割の可否ごと相談できます。
カードの場合と同じく、事務所に主張できる事由があるときは、信販会社への支払いを拒める場合があります(同法35条の3の19の支払停止の抗弁)。提携ローンで分割を組むなら、契約書が信販会社との個別クレジット契約になっているかを確かめておくと確実です。
自社分割(探偵社への直接分割)
信販会社を挟まず、探偵社に直接、分割で支払う方法です。カードやローンの審査を経ずに組める場合がある一方で、割賦販売法の保護が及ばない場合があります。頼りになるのは、探偵業法8条の2つの書面です。契約の前には、支払う金銭の概算額と支払時期を記載した説明書面が交付され(同条1項7号)、契約の後には、支払う金銭の額と支払の時期・方法を記載した契約書面が遅滞なく交付されます(同条2項6号)。分割の回数・金額・支払日まで含めて、書面に無い分割条件を口約束のままにしないでください。口頭の約束は、あとから確かめられません。確認する項目の一覧は「契約前に確認すること」の節にまとめます。
月々いくらになるか(総額の目安と回数別の単純計算)
月々の負担を考えるには、先に総額の当たりをつける必要があります。当サイトの集計では、浮気・不倫調査の最低総額(「◯◯円〜」の◯◯)を公式サイトに出していた427社の中央値は6万円です。ただしこれは各社が示す下限額の真ん中の値で、実際の調査の総額ではありません。調査は人数と日数で組み立てられ、2名体制で3日動けば人件費だけで23万〜37万円という水準になります(積算の内訳は探偵の浮気調査料金と費用相場で日数別に説明しています)。時間単価から見当をつける方法もあります。最低時間単価を公開していた455社を1名あたりとして集計すると、中央値は1時間7,700円です。下から4分の1は5,500円、上から4分の1は11,000円です(1日単位の目安は探偵を1日だけ雇う料金)。
掲載中の事務所が公式サイトに出す最低時間単価の分布は、次のグラフのとおりです。本文の数値は、当サイトが調査した867社のうち単価を公開する455社の集計です。グラフは掲載基準を満たして掲載中の事務所だけを対象に、事務所の追加・更新にあわせて自動で再集計されます。
総額の見当がついたら、回数で割ります。次の表は総額を回数で単純に割っただけの計算で、分割手数料・金利を含みません。カードやローンでは、この額に手数料が上乗せされます。
総額の例 | 3回払い | 6回払い | 12回払い |
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6万円(各社の最低総額の中央値・計画の基準にしない) | 月20,000円 | 月10,000円 | 月5,000円 |
24万円 | 月80,000円 | 月40,000円 | 月20,000円 |
30万円 | 月100,000円 | 月50,000円 | 月25,000円 |
6万円の行は、各社が下限として示す額の中央値がどの水準かを見るために置いたもので、支払い計画の基準にはしないでください。24万円と30万円の行は、2名体制で3日調査したときの人件費の帯(23万〜37万円)に収まる水準として置きました。実際の総額は調査の設計しだいで、これより大きくも小さくもなります。見積書が出たら、その総額で計算し直します。カードやローンを使う場合は、そのうえでカード会社・信販会社の返済シミュレーションに当てはめると、手数料込みの月額が分かります。
分割に頼る前にできること
分割は支払いを月々に分ける仕組みであって、総額を減らす仕組みではありません。カードやローンの手数料がかかる分、支払いの合計はむしろ増えることがあります。契約の前に、総額そのものを下げる余地を確かめる価値があります。
- 予算の上限を最初に伝える。探偵は聞き取りをもとに調査計画を組むので、日数や時間帯を絞って予算に収める設計を相談できます。
- 時間制で小さく始める。対象が動く日を絞り込めているなら、数時間から1日の調査で足りることがあります。
- 無料相談で見積もりだけ取る。契約せずに複数社の見積りを並べれば、自分の事案の総額の当たりがつきます。
逆に、こちらから頼んでいないのに借り入れやローンを勧めてくる事務所には注意してください。信販会社の審査は、支払能力を超えた契約を防ぐために法律が置いた手続きです。支払えるか分からない額の契約を借り入れで成立させる方向の勧誘は、この仕組みと逆を向いています。探偵業界の中にも、公式サイトで同じ注意を呼びかけている事務所があります。
調査費用を相手に請求して取り返せるか
「調査費用は浮気相手に請求できるから、分割で払っても後で取り返せる」という見通しを、契約の前提にしないでください。調査費用を相手に請求できるかは、解説ページによって説明が分かれている論点です。当サイトは法律の判断をしないため、説明がどう分かれているかの整理を浮気調査費用を相手に請求できるかの記事にまとめています。個別の事案でどうなるかは弁護士に確認してください。取り返せる前提で支払い計画を組むと、取り返せなかったときに分割の残債だけが残ります。
契約前に確認すること(探偵業法8条の書面と相談窓口)
確認は二段構えになります。まず無料相談の段階で聞いておける項目があります。候補を絞る材料になるので、相談の最初に確かめておくと話が早くなります。
- 分割払いの可否と、使える方法(カード・提携ローン・自社分割のどれか)
- 利用明細や郵送物の表記・送付先をどこまで配慮してもらえるか
- 着手金は分割の対象になるか
- 手数料まで含めた総額はいくらになるか
契約の直前には、書面で最終確認します。探偵業法8条は、契約の前後で2種類の書面の交付を探偵業者に義務付けています。契約前は、支払う金銭の概算額と支払時期(同条1項7号)や契約の解除に関する事項(同条1項8号)を記載して説明する書面、契約後は、支払う金銭の額と支払の時期・方法(同条2項6号)を記載した契約書面です。相談で聞いた答えが書面にも書かれているかを含めて、次の6点を確かめてください。
- 支払いの総額(手数料を含めていくらになるか)
- 分割の回数と、1回あたりの金額・支払日
- 手数料の有無と、誰が負担するか
- 途中で解約したときの精算方法(調査開始前と調査中のそれぞれ)
- 契約書類・郵便物の送付先と、事務所からの連絡方法(電話の可否・時間帯)をどうするか
- 以上のうち金額と支払いの条件が、契約書面に書かれているか
国民生活センターは、探偵業者への依頼にあたって、複数の事業者から見積もりを取ること、料金の内訳を確認すること、キャンセル料の条件を確認することを勧めています。契約に不安があるときや、契約後にトラブルになったときは、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターに相談できます。
なお、「探偵の契約はクーリングオフできる」と一般化はできません。クーリングオフが使えるのは、特定商取引法の訪問販売や電話勧誘販売に当たる形で契約した場合に限られます。自分から事務所に出向いて結んだ契約は原則として対象外です。その意味でも、解約時の精算条件は契約前に書面で確かめておく必要があります。
分割払いの可否と条件は、料金表の読み方の一部です。見積書や料金表のどこを見ればよいかは探偵の料金表の読み方にまとめています。候補選びには分割払い対応を明記している事務所の一覧を使い、地域や調査目的で絞り込んで、同じ条件で2〜3社に相見積りを出すところから始めてください。